ファッションバイヤーにとって、市場の方向性を読むことはもはや必須です。
今はSNSやデジタルの影響で、世界のトレンドがほぼ同時に動く時代。
ヨーロッパ、アメリカ、韓国のランウェイはリアルタイムで影響し合っています。
だからこそ、2026年春夏のバイイングでは
ラグジュアリーメゾンやトップブランドの流れを押さえることが重要です。
そのムードは秋冬にも確実につながっていきます。
主要コレクションを見渡すと、はっきりした変化が見えてきます。
Quiet Luxury → Maximal Mood
静かなラグジュアリーから、表現の時代へ
ここ数年は、ニュートラルカラーやミニマルなテーラリングが主流でした。
いわゆる“Quiet Luxury”の流れです。
でも今、ランウェイは変わり始めています。
抑えるよりも、表現する。
シンプルよりも、存在感。
ミニマリズムから、アイデンティティを可視化する時代へ。
トレンドは確実にシフトしています。
2026シーズンに見られる主な変化
2026年のコレクションは、次のようなキーワードに集約できます。
- Color(カラー)
高彩度モノクロームや大胆なカラーブロックの増加
- Pattern(パターン)
ロマンティックなフローラルや存在感のあるプリントの復活
- Silhouette(シルエット)
彫刻的な丸みと、ソフトマキシマルなボリューム感
- Fabric & Texture(素材・テクスチャー)
レース、ジャカード、エンベリッシュメント、触覚的な表面感
- Detail(ディテール)
フリンジ、タッセル、フェザーなど、動きを伴う装飾
- Key Item(キーアイテム)
再解釈されたクラシック — セットアップやモダナイズされたトレンチコート
1. ボールドな単色使い ― 彩度の力









今シーズン、最も明確な変化は「カラー」です。
パステルやミュートなニュートラルに代わり、高彩度カラーが主役に。
ラグジュアリーブランドは、ビビッドなレッド、ブルー、イエロー、グリーンなど、強い発色を打ち出しています。
特に目立つのは、全身を一色でまとめたモノクロームスタイル。
鮮やかなドレスやセットアップが強い存在感を放ちます。
さらに、レイヤードによるカラーブロックも視覚的インパクトを強めています。
キーカラーはレッド。
続いてブルー、イエロー、グリーン。
また、ブラックも重要なアンカーカラーとして復活。
レザーやシルクなどの質感を通して、強い色を引き立てるベースとして機能しています。
■ Buying Tip
高彩度のモノクロームドレスやセットアップは有力商材。
店頭ではシャープなブラックアイテムと組み合わせ、バランスを取るのが効果的です。
強いカラーアイテムはディテールを抑え、色そのものを主役に。
それが売上最大化につながります。
2. ステートメント・フローラルの復活









今シーズン、フローラルは大きく拡張しています。
小さなディッツィープリントから、絵画のような大胆なブーケ柄まで。
ミニドレス、ボリュームのあるラッフルドレス、さらには構築的なテーラリングにも取り入れられています。
特に注目すべきは、これまで大胆なフローラルを前面に出してこなかったブランド —
Celine、Miu Miu、Chloé、Ganni — が、
2026年春に高彩度フローラルを再提示した点です。
これは、今後さらに表現力のあるパターン使用が広がる可能性を示しています。
また、フローラルに限らず、プリント全体が再び“ムードを定義する要素”として存在感を取り戻しています。
ギーク風モチーフや大胆な補色コントラスト、総柄スーツなど、
ビジュアルストーリーテリングへの欲求が高まっています。
■ Buying Tip
総柄アイテムは数量を絞り、トレンド訴求用として展開。
大胆なフローラルドレスは主役ディスプレイに活用しつつ、
プリントブラウスやTシャツは日常ラインに少量導入して反応をテスト。
夏のピークに向けて、実績を見ながら段階的に拡大するのが効果的です。
3. ソフト・マキシマルなボリューム ― 彫刻的な丸み









ランウェイは、シャープなテーラリングや硬いラインから離れ、
丸みを帯びた彫刻的シルエットへと移行しています。
カラーが控えめでも、ボリュームそのものが主役に。
いわば“クワイエット・マキシマリズム”です。
身体を強調するのではなく、シルエット自体を構築するアプローチ。
コクーンジャケット、バルーンスカート、ポエットスリーブ、ペプラム構造など、
ラウンドカッティングが特徴的です。
特に注目すべきは、ボリュームの位置。
肩ではなく、ウエスト下に重心を置くデザインが増えています。
レイヤード素材や立体的なドレーピングなど、
構造とテクスチャーがその存在感をさらに強めています。
■ Buying Tip
シルエットだけでインパクトを持つアイテムを選定。
コクーンコートやバルーンスカート、丸みのあるジャケットは有力候補です。
スタイリングはミニマルにまとめてフォルムを強調するか、
大胆なアクセサリーと合わせて方向性を打ち出すのも効果的です。
4. ダイナミックな装飾 ― タッセル&フリンジ









2026年春夏から秋冬にかけて、
ランウェイで目立ったディテールのひとつが“動き”を生むトリムです。
Alaïa、Balmain、Chanel、Louis Vuitton などが、
タッセル、フリンジ、フェザーをドレスやスカート、バッグ、シューズに取り入れました。
これらの装飾はリズムと躍動感を加え、
静的なアイテムをより表現的なピースへと変化させます。
単なる装飾ではなく、感情的な消費にもつながる要素です。
不安定な経済状況下では、視覚的インパクトの強い商品ほど支持を集めやすい傾向があります。
■ Buying Tip
ボリューム、装飾、テクスチャーのいずれかで
明確なフォーカルポイントを持つアイテムを選定。
フリンジスカートやステートメントタッセルバッグを一点投入するだけでも、
コレクション全体のトレンド感を高めることができます。
5. ロマンティックなテクスチャー ― 触感が生むフェミニニティ









今シーズンは、シルエットと同様にテクスチャーが重要な鍵となっています。
シアーレース、クロシェ、ジャカード、ラッフルやシャーリング、刺繍やジュエル装飾まで。
素材そのものがルックのムードを決定づけています。
ミニマルではなく、より立体的でラグジュアリーな表現へ。
クリーンなシルエットに合わせれば奥行きを加え、
ボリュームのあるフォルムと組み合わせれば、さらにドラマティックな印象を生み出します。
これは“Quiet Luxury”の控えめさとは対照的な、
存在感を強調する方向性と言えるでしょう。
■ Buying Tip
装飾性の強い素材はトレンド性が高く、好みが分かれやすいアイテム。
導入する際は、シンプルで汎用性の高いシルエットと組み合わせ、
日常使いしやすいバランスを意識することが重要です。
6. 再構築されたクラシック ― リラックスしたエレガンス









マキシマルな流れの中でも、クラシックなテーラリングは健在。
ただし、よりソフトに進化しています。
これまでの“オフィスコア”がシャープでフィット感のあるシルエットを強調していたのに対し、
今はよりリラックスした詩的な解釈へ。
いわゆる“Poet Core”の流れとして、ゆとりのある仕立てや流れる素材、さりげないロマンティックなディテールが特徴です。
トレンチコートやマックコートも再構築。
新しい金具使い、意外性のある裏地、柔らかいプロポーション、彫刻的な襟など、
クラシックに現代的なニュアンスが加えられています。
エレガントでありながら、肩の力が抜けた印象です。
■ Buying Tip
クラシックなDNAを保ちつつ、プロポーションやディテールをアップデートした
シーズンレスのトレンチやアウターに投資を。
大きな変化ではなく“さりげない進化”こそが、
商業性とトレンド感を両立させます。
Conclusion: マキシマルな表現への穏やかなシフト
ここ数年を象徴してきたのは、抑制されたミニマリズムによる“Quiet Luxury”でした。
しかし2026年は、より表現的なマキシマリズムへと静かに舵を切っています。
カラー、ボリューム、テクスチャー、装飾。
それらは今や、アイデンティティや個性を伝える手段となっています。
1920年代のフラッパーシルエット、1950年代のニュールックの曲線、1980年代のバルーンボリューム。
これらはノスタルジーとしてではなく、洗練された再解釈として再登場しています。
それは混沌としたマキシマリズムではありません。
ミニマルな洗練を保ちながら、より感情に訴えるラグジュアリーです。
この流れの中で、バイヤーが重視すべきは
少なくとも一つの明確なステートメント要素を持つアイテム。
カラー、シルエット、テクスチャー、あるいは装飾。
重要なのはバランスです。 大胆でありながら、着やすいこと。
💚
韓国インディーファッションから生まれる新たな大胆さを探るなら、
Shakaraka の新しくローンチされた英語オンラインストアで、
ぜひ最新のアイデアをご覧ください。→ shakalaka.co.kr

Share article